笠間の暮らし・文化・観光・農業 etc。
みんなで発言する、発信する、
Craft Council(クラフト・カウンシル)。

稲田禅房 西念寺 親鸞聖人縁の古刹

DATE:2019.12.07

NAME:currywinwin

国道50号のすぐ脇にある西念寺、境内に入ると往来の喧騒はどこへやら、不思議なほど静か。
長い参道を進み、鎌倉~室町の創建と云われる茅葺きの山門をくぐると、荘厳な本堂とイチョウの大樹が見えてきます。

親鸞聖人のお手植えとされる樹齢800年の『お葉付きイチョウ』、葉の上端に雌花が付き結実するという変種です。
イチョウの根元には苔の絨毯がふんわりと広がっていて、苔むした杭の上ではトンボが羽を休めています。

親鸞聖人(1163-1273)は、この稲田の地にあった草庵を東国布教や執筆の拠点とし、ご家族と20年もの歳月を過ごされたそうです。
浄土真宗発祥の聖地とされ、境内には伝承と共に数々の見所があります。

ふと国道側にある小さな門に近づいてみると、実りの秋をこれから迎える稲田が広がり、一枚の絵のようです。

親鸞聖人が作られた『田植え歌』
五劫思惟の苗代に 兆載永劫のしろをして 雑行自力の草をとり 一念帰命の種おろし 念々相続の水流し 往生の秋になりぬれば 実りを見るこそうれしけれ

農民と一緒に田植えをしながら、仏教の言葉を織り込んだ、この歌を歌い教えを説いたそうです。
※五劫思惟(ごこうしゆい)は一劫が4億3200万年でその5倍、阿弥陀仏が五劫の間思惟されたという意味。

西念寺、今なお摂理に充ち聖人の眼差しを感じられる場所です。

所在地 茨城県笠間市稲田469

アクセス
【車】北関東自動車道 笠間西ICより5分(4km)
【電車】JR水戸線 稲田駅より徒歩 15分(1.5km)

位置情報

マップを拡大してみる

同じカテゴリの記事

酒造りを変えたある機械の伝来とは? 磯蔵酒造

蔵内の照明や建物の採光も雰囲気があっていい感じなんです。

愛宕神社 悪態まつりの話

愛宕山の麓、悪態まつりのスタート地点でお話を聞いてから、愛宕神社に向かいます。

愛宕神社 天狗伝説の杜

ある日、退屈した仔猫神が目をうるうるさせて(どこか行きたいにゃん。)と言います。 日が暮れる前に行けるぱわすぽ…愛宕山に行くことにしました。 山頂付近まで一気に車で上がります。

奥の院 稲田姫伝説の好井

稲田神社の奥の院にやってきました。 神社から少し離れた山中にあります。専用駐車場はありませんが、奥の院をお守りされているお宅のご配慮で駐車できる旨のご案内があります。 稲田姫の別名は奇稲田姫クシナダヒメ。ヤマタノオロチ退治のお話で有名なスサノオノミコトの奥さんです。

天狗の種類って? 光立つ長楽寺

長楽寺の創建は天長元年(824年)時代を語る清々とした様式美。 「光の柱が立っているというお話もあります。雨の日でもきれいな写真が撮れるんです。」と高橋協子さん。心がほぐれていきます。話がはずんで、ついつい長居しました。

天狗にさらわれた少年 寅吉くんのそ・の・後②

寅吉くんの晩年のお話が続きます。 雲間から時おり日が差して、十三天狗の祠が明るく輝きます。 野鳥が沢山集まってきて、さえずりがとても賑やか。 お話を聞きにきたのかな。

天狗にさらわれた少年 寅吉くんの そ・の・後①

天狗にさらわれた少年、寅吉くんは何てったって岩間のアイドル。 晩年は風呂屋になったって噂を聞いたけど、ちょっと腑に落ちない… 気になった高橋協子さんの探究心が、天狗のご縁を呼び、寅吉くんのその後を紐解いていきます。

長楽寺 十三人目の天狗

笠間市台湾インバウンド推進協議会のワーキンググループメンバー+東洋大学の学生さんで、フィールドスタディに出かけました。ご案内は陶芸家の高橋協子さん、天狗を訪ねる旅です。